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健康のために自転車に乗る方はご注意を

 健康維持を目的として、あるいは交通費の節約のために自転車通勤を始めた方の中に腰痛を発症する場合があります。また趣味やスポーツとしてロードレースをしている方の中にも一定数は腰痛に悩まれている方がいます。関係するWebサイトを見てもこのことについては多数の記事が出ていて、事態が深刻であることをうかがわせます。健康のために始めた自転車なのに、かえって健康を害していては本末転倒と言わざるを得ません。医療関係をはじめとして自転車業界・施術家などが原因とそれに対する予防法や改善法を様々な観点から述べていますが、多種多様の論調があるということはどれも真実とはかけ離れているということだと思います。

 

 事実内容を見ていて感じることは、全て筋肉について述べることに終始していて、最終的には筋肉疲労や筋力不足、挙句はストレスといった腰痛全般に対する説明になるのですが、それで果たして解決しているのかといえば現状は一向に腰痛を抱える方は減少はしていないでしょう。だからそれだけ多くのサイトで記事が出ているのです。


 そもそも自転車が健康にいいというのは本当なのかという疑問が湧いてきます。何に良いのかといえば、おそらく心肺機能が向上して代謝が上がることが最大の効能だと思うのですが、それであれば他の手段でも同じ効果が得られる可能性があります。そして自転車を選ぶことで失う健康という考え方をしてみると、それが腰痛ということができます。それらを差し引きしてみることも大切で、その結果自転車から離れる方も多く存在します。やれば痛くなることの繰り返しで続けられなくなるのです。


 ではそれが何故なのかといえば、みなさんは骨格に対する知識がなく筋肉だけで説明することには限界があるのです。筋肉疲労・筋力不足・ストレスが腰痛になるまでのプロセスがすっぽりと抜け落ちていて、漠然とこじつけているのを見ればわかります。自転車に乗って腰痛を起こす原因は骨格にあります。


 自転車に座るときはサドルに座りますが、坐骨がサドルの座面に当たって体重がかかりますので固定された状態になります。ペダルを漕ぐときは骨盤が左右に回転運動をするのですが、坐骨がサドルで固定されていて動かない分、仙腸関節 に負担がかかります。本来はほとんど動かない仙腸関節が強い力で無理な動きを強いられています。ペダルを漕ぐ力が強いときはその分だけ多く動くことになります。(写真1)


 スポーツタイプのロードバイクはサドルが細長い形ですので、座面は坐骨の間にかなり深く入った状態で座わることになりますが、この状態では坐骨の下部を外に開く力が働きます。通常の生活でも左の骨盤はその方向に動きますので自転車に乗ることで左の骨盤はさらに歪みが加速します。右の骨盤はその反対の動きをしていますので打ち消しあってあまり多くは動いていません。つまり多くの自転車の利用者は左の骨盤を痛めていることが多いのです。(写真2)


 すでに腰痛がある方は骨盤が歪んでいますので、自転車に乗ることでさらに骨盤を歪ませます。健康のために自転車に乗るわけですが、その結果痛みが強くなる場合は自転車は控えて骨格矯正を優先しましょう。自転車は骨盤にやさしい乗り物ではないようです。

なおこの内容は全ての方の結果をお約束するものではありません。

 


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